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パリ、テキサスのおしゃのレビュー・感想・評価

パリ、テキサス(1984年製作の映画)
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ライクーダーの素材感ある音によって、ゆったりした映像に香ばしさが与えられる、その心地よさだけで気持ち良い映画。ロードムービー見たいならこれをぜひ映画館で!とのことで松竹へ行った。(下書きしてた)

ロードムービーなのにすぐ家ついちゃった...と思ったがそれは単なる中継地点。全編を通して、トラヴィスさんが長い長い逃避の道から帰ってくる旅であり、そしてこれからもそれは続く。

やっぱり気になるぶちキュートなナスターシャキンスキー氏は、若くしてトラヴィスという男の嫉妬の炎に焼かれ燃え尽きたことで、消耗しながらも過去にすがりついてかろうじて生きており、そんな彼女を結局置いてゆくトラヴィスに対して、一緒に見た我々女衆はすこしいらいらしたこともあった。笑
がそれを差し引いても、電話のシーンは素敵ねん。ピンクや赤のキュートなボックスの色合いに、哀愁ただよう雰囲気。トラヴィスイケボではある。

ところで、8ミリファミリームービーのシーン、ベタだけどみんなが愛してる空間に長めに浸れるのなんか気持ちよかった。映画ならでは。それを見た息子「トラヴィスが恋してるのは過去の中の彼女だよ」的な発言は大人過ぎだろとどツッコンだが、こいつはホントに過去を生きてる!しっかりしてくれ〜

やさしさある人間のいる映像、音楽でとくべつな時間を感じることに、この映画の意味の心地よさを感じた。
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