当時”ミスターアメリカ”だったケビン・コスナーのロードムービー。ケビン・コスナーを追う警察署長に監督のクリント・イーストウッドが。今作は人類が抱える有史以来続く親子関係の問題を主題にした普遍のドラマである。脱獄犯二人組が押し入った先の八歳の男の子を人質にして逃走するが...親から子供への暴力は最近でも無くならない人間の暗部であり本作では軽く扱われているが今世間を騒がしている宗教二世の心の問題も物語の通底に流れている。主人公は子供に暴力をふるう親を許せない。’60年代の大人と子供の関係性といえばそれまでだが、だからこそ子供への暴力を憎む主人公を描く今作は秀作となった。ただもう一方の主役であるイーストウッドのパートは内容も平凡ではっきり言って必要ないと思ってしまった。
