K

パーフェクト ワールドのKのレビュー・感想・評価

パーフェクト ワールド(1993年製作の映画)
4.7

脱走犯のブッチと人質として連れて行かれた8歳の少年フィリップ。
だんだんと二人の関係が父親と息子のような絆で結ばれていくロードムービーのように描かれている。観ている者も二人に愛着が湧いてくるので、ラストは涙が止まらない。観終わった今でも心臓がバクバクしてる。

ブッチはいい奴なんだよ…フィリップに「俺が殺したのはママを殴った奴とお前を襲った奴だけだ」とこう言う。実際、少年院行きになったのは父親の素行が理由なんです。日常的に暴力が振るわれているのを見ていたブッチは、ある家族と出会い父親が息子に暴力を振るうのを見てそれを許せず怒りに任せて………
ここからのシーンは予想していなかったので、口をポカーンと開けて涙も流れて、もうこの映画が本当に愛しくなった。

それにブッチは、父親と何年も会っていないフィリップに綿菓子やローラーコースターなど子供がやりたいことをリストに書けと言い、叶えさせてくれようとする。ほんとにただのいい父親なんですよ。

『レオン』も『ペーパームーン』も好きだけど、この映画にしかない空気感がとても好きだった。クリント・イーストウッドは悪そうな奴を実はいい奴と描くのが上手い。
後味は良くないが今日はブッチの暖かさを抱きしめて眠りにつこう。
K

K