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地上より永遠にのSIのレビュー・感想・評価

地上より永遠に(1953年製作の映画)
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2020.11.26
自宅TVにて鑑賞

太平洋戦争間近のハワイ。陸軍の名ボクサーである反骨の主人公は、軍の不条理な命令に従わないことで嫌がらせを受け、自分に同調し反抗した親友も殺されるも、開戦した陸軍のために戻ろうとする途中で味方に誤射され死ぬ。

アカデミー賞8部門受賞。

モンゴメリークリフト。ドナリード。キャラ立ちも相まって、主役の男女が本当に綺麗にみえる。
男はどれだけしごかれようが、自分としての正義、信条を貫き続ける。両親に先立たれ友もいない状態で入った軍隊。彼の行動は軍にとって何がベストなのかを第一に考えているという意味で常に一貫しており、腐敗した上司には従わず、度を過ぎた上司は殺すことすらためらわないという意味では、彼こそ最高の兵士なのかもしれない。
女は主人公を好いているホステスで良い恋仲なのに、結婚の話になると突然「私は真っ当な人間と結婚し真っ当な人間となりたい」と素顔を見せる。
ラスト、女は、親友を嬲った上司と刺し違え傷を負ったまま軍隊に戻ろうとする主人公を引き留め、「あなたと結婚する」と顔をぐちゃぐちゃにして言う。しかし主人公は、泣き叫ぶ彼女を部屋に残して、明かりを消して出ていく。これが二人の今生の別れ。壮絶。

総じて、「兵士とはかくあるべき」という映画だと感じた。平時である今評価されないのは仕方ないが、当時の人々が大熱狂したのは何となくわかる。

大量のエキストラで撮られた、マーチング、日本軍の機銃掃射から逃げ回るシーンは見事。

ポスターにもなっている、サブプロットで展開されるバート・ランカスターとデボラカーの純愛不倫の話は、どういう意図で走らせているのか正直分からず。
にしても、良い映画でした。
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