かめさん

座頭市あばれ凧のかめさんのレビュー・感想・評価

座頭市あばれ凧(1964年製作の映画)
3.7
「座頭市千両首」の池広一夫1964年監督作品。子母沢寛の原作を「座頭市兇状旅」の犬塚稔脚本。勝新太郎、久保菜穂子主演映画。座頭市シリーズの七作目。

上州路で悪名を買い、まだ名が知られていない甲州路に足を踏み入れた座頭の市は、ただの旅のあんまになりすまして、富士川を挟んだ津向の文吉と吃安こと竹屋の安五郎の対立の中へ割って入っていく。市が加勢するのは文吉側。代官と手を結んで文吉の縄張りを狙う吃安一家の陣営へ、花火の夜に単身殴り込み。
花火と巧妙な頭脳プレイによる居合い抜きの殺陣、双方の鮮やかさが相乗効果をもたらす見事なクライマックスが披露されていく。監督は前作『千両首』に引き続き池広一夫。市のユーモラスな面を強調した演出がなされているのも本作の大きな特徴で、このあたりからシリーズは陰と陽を併せ持つ大らかなものへとなっていく。(的田也寸志)
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