津軽系こけし

キサラギの津軽系こけしのレビュー・感想・評価

キサラギ(2007年製作の映画)
4.6
事件は会議室で起こってるんだ…!!


✉️密室会話劇サスペンス
✉️ブルーリボン賞受賞
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そりゃ面白ぇ


構造的には映画というよりもコントに近いかもしれない。
アイドルの一周忌パーティに集まったファンの5人が、それぞれの推し活を語り合うところからはじまり(この辺は今泉力哉監督の『あの頃』っぽくて愛くるしい)

思い出に花を咲かせるが、話題は”彼女がなぜ死んだのか”に移り変わり、さまざまな矛盾や謎が明らかになり、会話劇をサスペンスにしてゆくという内容。


当たり前だけど脚本がとにかく面白い。二転三転してゆく推理劇だけでなく、それにさも説得力があるかのように醸す演出が妙。映画の面白さが正当性と不可逆であると改めて実感する。

導入のファンたちが集まってゆく過程も素敵。
映画自体あまり感傷的ではないし、キャラクターに役割以上の効果がないため、あえて導入で大袈裟なほど人間くさく描くことで「あぁ、こういう人いるよね…」という体で受け入れてもらう効果がある。

あと場所性を尊重するため、外部のシーンをストップモーションアニメ(?)みたいにしてるのも良かった。あんな感じのアニメはじめて見たけどどうやって作ったのだろう。


最後らへんが少ししつこく感じたが、面白い脚本と、面白い役者を上手く使いこなした印象でした。

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✉️まとめ✉️
これが舞台だったらどうなるかはすごい気になる。映画以上に場所性に強い意味合いが出てくるし、演出の仕方も変わってくるだろう。
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