いの

ゴモラのいののレビュー・感想・評価

ゴモラ(2008年製作の映画)
4.3
資本主義の元で巨大犯罪組織は触手をのばして気づけば全部を支配している。年端もいかない少年たちは恐れというものを未だ知らず。知ったときには殺られている。組織の抗争だけを描くのではない。オートクチュールの下請けを格安で引き受けたり(それは従業員たちにモチロンしわ寄せがくる)、産廃を格安で引き受けたり(それはモチロン全くクリーンではない)、移民差別などもまるで自明の理のようにそこにあり、誰がラスボスかなんてわかるわけも全くなく、気づけば全てを支配されがんじがらめにされじわじわと窒息させられor一瞬で息の根をとめられ、生きているのか死んでいるのか、もうわけがわからなくなる。


そんなこんなを、余計なことは言わずに画でクールにみせていく。そこに時折挿入されるイタリア歌謡?は絶妙な合いの手となる。


終幕時のクレジットを読んで、更に強烈なパンチを喰らい、背筋も凍った。そして今も受けた衝撃が消えない。


初っ端からガンガン殺して、鮮やかなピンクの「GOMORRA」ドーン! ゴジラとモスラが出てくる怪獣映画かと思ってたら全然違うてた。ソドムとゴモラのゴモラでした。さいごも鮮やかなピンクの「GOMORRA」ドーン!


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・少年2人が「これってスカイフェースみたいじゃね?」って言い合うとこ微笑ましかった。でもその少年はパチーノよりもデニーロに似ていた(タクシードライバーの頃の)


・オトナが乗れないと拒否った大型トラックを生き生きと乗る少年たちは10歳くらいじゃなかろうか。その画にも喰らう。パンツいっちょで狙撃練習する姿も。


・意外なところでスカヨハ登場
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