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ラッキー・ユーのRのレビュー・感想・評価

ラッキー・ユー(2007年製作の映画)
3.9
またまたカーティスハンソン監督作を見てみた。ポーカーってある程度しかルール分からないので、楽しめるか多少不安であったが、同監督のサーフィンをテーマにしたマーヴェリックスが普通に楽しめたので、まぁ見てみるか、と見てみたら、やはり誰でも楽しめそうな、丁度いい感じの作品になっていた。この監督の流れるようなスムーズな演出、素晴らしいすね。時間を忘れて見れる。ちなみに実際のポーカープレイヤーが見ると更に楽しめるようなので、どんなゲームなのかは多少知ってるといいかもしれません。いくつか種類があるポーカーの中で、アメリカで最も一般的とされるテキサスホールデムが、本作ではプレイされている。主人公はラスベガスで暮らすプロのポーカープレイヤー、ハリー。彼は子供のころ父からポーカーを教わったのだが、その後、母と彼を棄てたことで父を憎んでいる。ハリーはスキルは高いのだけど、常にアグレッシブやから、やられるときはこっぴどくやられてしまう。特に対父だとコテンパン。ハリーは私生活でも常にポーカーフェイス、口数少なく、女は取っ替え引っ替え、はったりと疑いと利己ばかりの孤独な生活を送っている。ある夜、彼は、歌手になるためラスベガスにやって来たビリーに出会い、今までとは明らかに違う、恋の感情を抱く、というロマンスのお話が、ハリーの父とのポーカーバトルと並んで展開。それらを通して、ハリーが少しずつ変化していく様子が描かれていく。ハリーを演じるのがエリックバナという人で、これが絶妙なるイケメン。幾人かの個性的スター俳優を彷彿させながら、この人自身にはあまり色がなくマイルド、けど、どっからどうみてもイケメン。クールでありキュートでもあり渋さもあり、不思議な魅力です。とんでもないことをさらっとしでかしてしまうロクデナシでもあるんやけど、何だかんだでビリーが彼を許してまうのも、この見た目ならしょうがあるまい、と納得してしまえる。ビリーは何かヘンテコな女でした笑 で、最終的にポーカーのトーナメントに親子が出場、と、全体的にひたすら予想通りの展開が続く。けど、見ててとても心地よいし、やっぱポーカーのシーンがイイ。真顔の心理戦で交わされる駆け引きとカードのアクションに爽やかな緊張感があり、テンポよく演出されている。プレイヤーたちの所作や表情、リアクションなどもとても魅力的。特に最終トーナメントの敗者の退場の仕方はみんなとても印象的だった。負けを惜しみながらも、いい勝負を味わった喜びが感じられる。そして最後は、時代の大きな変化の予兆を感じさせて終わります。結構意外な結末。イイですねー! 常習的ギャンブラーの懊悩とか、凄まじい緊張感とか、そういう方向には全然いかないし、エロスもないし、ほんまスポーツ映画に近い感じがした。エンドクレジットでは結構ホンモノのプロプレイヤーが出てるのが分かってビックリ。クレジット後にも少々オチがあるので最後まで見るべし。
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