ちょなん

HAZANのちょなんのネタバレレビュー・内容・結末

HAZAN(2003年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

陶芸家『板谷 波山』の教職を捨て陶芸の道に進み、苦難の末に作品が認められ実業家から後援を申し込まれるところまでを描いている。

波山が器形にこだわり、成形をパートナーのろくろ師に任せていたのが意外だった。デザインラフや彫刻など、成形以外は自分でやっていたようだけど。
『葆光釉(ほこうゆう)』を使って作られた『珍果文花瓶』は見てみたい。

教職を捨てる時点で妻と三人の子がいて、全財産を使って窯を作り、大雨で家の中が水浸しになった時には子より陶器を守り、臨時教師で稼いだお金を食費やツケに回さず薪に使い込み、焼成中の地震で傷ついた陶器は売らずに壊し、ツケを返す時は謝罪をせず偉そうで、貧困で苦しむ中でも子どもを作る。妻や親戚が呆れ苛立ちを覚えるくらいのダメ人間っぷり。妻の方に共感を覚える。

「私は泣いてもいい、でも子ども達だけは、あなたの夢で泣かせたくない」
金策のため傷付いた花器を妻がとある和尚に売っていて、後に波山がその時のことを和尚に聞かされるシーンが印象深い。

波山役の榎木孝明、波山の妻役の南果歩ははまり役。岡倉天心役の益岡徹がとてもパワフル。後援を申し込む実業家役が加瀬亮だった。

陶芸の勉強をしていて、陶芸に関わる映画が観たくなり鑑賞。
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