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狂熱の孤独のcollinaのレビュー・感想・評価

狂熱の孤独(1953年製作の映画)
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今作を除き、手元にあるジェラール・フィリップの映画もあと2本となりました。ジェラール・フィリップが1番いい時の作品の1つ。

今作「狂熱の孤独」では、ジャケットでもお分かりになるように、ジェラールは、彼の役としては珍しい、薄汚れた酔っ払いを演じています。彼が激しく踊る姿も見ることができます。しかし、やっぱりどこまで行っても下品にはならない。

元医師のジョルジュ(フィリップ)は妻を失いメキシコの小さな村で飲んだくれ、放蕩生活を送っています。そこに、旅行でやってきた夫婦。しかし、夫が伝染病に罹り亡くなってしまいます。残された妻ネリー(ミシェル・モルガン)は病院で手伝いをしていたジョルジュに出会います。彼を鬱陶しく思う彼女ですが…。一方、村には伝染病が広がり、村の閉鎖が囁かれるようになり…。

若干長いかなという気もしましたが、主演2人を観ていたいなぁと思う。ミシェル・モルガンとジェラール・フィリップ、いいコンビだと思う。ミシェル・モルガンの冷たい美貌、輝くようなブロンドは白黒の世界で本当に映える。

「本当はいい人なのよ」なんて、言われなくても分かっている。狂ったふりをしているのを。映画じゃないんだから、目が合って、手が触れて、で恋に落ちたりはしない。それが心地よい。

うだるような汗、狂気の人々、その中で1人きりの2人。素敵な邦題です。
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