缶々

第三の男の缶々のネタバレレビュー・内容・結末

第三の男(1949年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます


光と影の芸術

カラーでは出し難い2色の深み。白黒映画だからこそ表現出来た演出が随所に見られる。特に闇に照らされるハリーの顔や地下水道のシーンは見もの。

カメラは定点であることが逆に新鮮に感じられ面白い。ラストシーンは、この場面があるだけで今作を観て良かったと思える程のロングショットになっている。

後は分割統治下のウィーンというロケーションが良い。作中でも戦争の名残がウィーンにもハリーにも見られる。

もちろん1番好きなのは主人公ホリーのポンコツ具合。ラストまでほとんど何もしてない。何かしているように見えて本当に何もしていない。ただただ悪酔いしたり、周りを巻き込んでいる。それがとても良い。ブレードランナーのハリソン・フォードのようで好き。講演会のシーンは特にお気に入り。
缶々

缶々