いのかす

妻として女としてのいのかすのネタバレレビュー・内容・結末

妻として女として(1961年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

女性映画の決定版といわれている名作。
成瀬巳喜男監督の中でも、配信やソフト化されていないものなので偶然劇場で観ることができてよかったー!

話の内容は妾vs本妻、建築家で大学教授の森雅之には、正妻の淡島千景と愛人の高峰秀子がいて、その三角関係はとあることを理由に20年近く続いている…というしょうもない設定。

女が自己主張を始めた途端「このままでいいじゃないか」としれっと言う男。
とうとう迎える修羅場。男はただオロオロする。
肝心な時に濁したりするのは男性特有なものなのか…そういうところが私、男性の色気ってやつだと最近気づきましたよ(目覚めましたよ)

でも、煮え切らない男の権化のような森雅之が、不思議とグッと引き込まれる魅力ある男性かと思いきや、終盤萎れていくんです。これが現実。私が惹かれる男性の色気ってのは花みたいなもので、ずっと見てはいられないんですねえ。俳優としての演技はもちろん素晴らしい。

冒頭で息子くんが大声で歌うシーンが後半に生きたり、修羅場のまなざしを追いかけるカット割りはさすが成瀬巳喜男でした。

終わりまで見入ってしまった、また見たい映画なので経年劣化はこれ以上しませんように!
いのかす

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