あまのかぐや

アイアンマン2のあまのかぐやのレビュー・感想・評価

アイアンマン2(2010年製作の映画)
4.5
2010年公開
2008年に「ハルク」と「アイアンマン」が公開され、フェーズ1の冒頭3作。

ダウニーの大躍進がはじまったと同時に、この先のMCUの22作、長い長い10年の歴史もここからスタートしたのでした。怪しげな組織に属する怪しげなMEN IN BLACK、ニックフューリーやコールソンの登場でクロスオーバー感が増します。

1が、トニー・スタークと、会社の立ち位置とか正義感とか、そういう外的なイメージを作ったものだとしたら、2では彼の内面。亡き父でありスタークインダストリーズの創設者、ハワード・スタークとの関係がキーになってるところが好きです。傲慢に破天荒にめちゃくちゃにバカをやればやるほど、真実とか愛に飢えているこどものような孤独感が浮かんできて、より人間的なトニーが愛しい。アイアンマン3作ではこれが一番好きかも。

派手派手なアイアンマンデモンストレーションからのスタークエキスポの演出で笑かしてくれますが、キャプテンアメリカのハワードスターク演出のエキスポをみたあとなら感慨深い。あんたたちやっぱり血の濃い親子だよ。

胸のリアクターからの毒素による生命の危機を父の残した遺産(スタークエキスポのマップ)から見つける、って…そ、そうだったかぁ…「私が産み出したものの中で最も素晴らしいのはお前だ」。ハワードがNGフィルムに残したトニーへのメッセージ、初見の当時は「父の愛!」ぐらいにしか思わなかったけど、今になってみると号泣必至…そうか、スターク・エキスポ(遠い目)、ハワード…(またしても心は「シビルウォー」へ)

ミッキーローク演じるウィプラッシュは好きなヴィランです。父を看取ったあとに復讐の鬼となるオープニングは、ちょっとサム・ライミ版スパイダーマンを思わせる。モナコグランプリ、大破するマシンと黒煙をバックに登場するシーンは印象深い鳥肌シーン。このあとのウィンターソルジャーの初登場シーンもかぶるけど、こういうベタな見せ場にキュンキュンくる。スーツケースからスーツ装着するスタークも本編最大の見せ場(のひとつ)

しかし物語もウィプラッシュ一人ならば、復讐ベースのありきたりな話になってしまうところ、ライバル社のジャスティンハマーというペラッペラなキャラクターを出したのが大正解。ハマー役はサム・ロクウェルでしたか。

フェーズ1、そしてこの先のヒーローアッセンブルの中心となっている監督はジョン・ファブロー。ハッピー役として出演もしていますが、この安定のお父さん感。笑いもあり深い情もあり、なによりキャラクターの内面をちゃんと丁寧に描いてくれるのがとても好き。ただのヒーローアクションものではすまされない人間ドラマとして描く手腕によるものかと思います。

後に「みんなのおかん」になるブラックウィドウことナターシャ・ロマノフがスタークインダストリーズの法務部社員、ナタリーラッシュマンとして潜入している。お決まりの黒いジャンプスーツじゃないロマノフさんのいろんな衣装が見られて楽しい。

(新)ローディ登場シーンのあまりのさりげなさにはひいたけど、トニーに振り回される心配性な苦労人の相棒役にはドン・チードルがハマってるかな。
トニーは、一時は自分の死を覚悟してCEOをペッパーに譲り鉄のスーツを信頼おける友人に託した。で、ウォーマシンっていうヒーローも登場するんだけど、誕生日パーティーでめちゃくちゃやってローディをヒーローにするトニーらしいやり口もね。ほんとにバカだしそんなところが愛しくてたまらないよ、トニー。

で、いまやチードル版ローディ以外考えられないけど、いつなんどき、旧ローディがお手製ウォーマシンスーツでマーベルのプレミアを襲撃しにこないか毎回ドキドキするね!
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