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泥の鳥のchinechanのネタバレレビュー・内容・結末

泥の鳥(2002年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

この映画で、何よりも素晴らしいのは、子供の純粋さと、バウルの歌。
前日にスーフィー音楽について触れため、バウルの歌に出てくる神秘主義についてもスーフィーと通じるところがあるのだろうなと思った。

そして、バウルの歌の内容はすごく神秘的で、ハッとさせられる表現があった。
以下、私が目からウロコした部分、いくつかの歌詞を勝手に合わせちゃってますが、、
要は、
一番大事なものを神に差し出せ、と。
お前の大事なものは、牛やヤギか?
いや、違うだろう、お前の息子であり、お前自身であろう、と。

これ、すごくすとんと落ちました。
ああ、そうか、と。
これを悪いふうに取らないでほしい。本当の優しさから、これを言える人間はなかなかいないですよね。。
究極のイスラム理解は私のような煩悩と私欲にまみれた人間には到底体現できない境地にあるようです。。嗚呼凄い。


また、男達が政治について、生き方について語り合うシーンがいくつかありますが、どれも彼らの思想理解に良いシーンばかりで勉強になります。


そして、信じていたはずの同じムスリム同士がなぜ争わなければならないのか、という悲痛な叫び。

東パキスタン(現バングラデシュ)の人々は、軍(パキスタン側)がまさか人を殺めるようなことはしないだろう、と信じていた。なのに村人たちに襲いかかる焼き討ち。
当時多くの難民がインドへと逃げたそう。

あまりバングラデシュ独立戦争辺りの歴史に詳しくなかったので、学べて良かった。
パキスタン側がどういう風に感じていたのかについても、知りたいと思いました。
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