わかめ昆布

女人哀愁のわかめ昆布のレビュー・感想・評価

女人哀愁(1937年製作の映画)
4.1
成瀬監督は「家庭」や「主婦」を描くのが本当に上手い!この分野で右に出るものは居ないとすら感じる。

じっと耐えつつもジワジワと奥に燃える気持ちを募らせていく入江たか子が素晴らしい。
今だとフェミニストの方々がすっ飛んできそうなレベルの主婦侵害な家庭だけれど、ひろ子の忍耐力は拍手喝采ものだし、平成のこの時代だからこそ改めて見習いたいものがあった。

夫との言い合いのシーンは圧巻。
まくしたてる夫に対し、冷静で呆れて笑いさえ出てしまう奥方。貞淑な妻の“爆発”。
こういったいざという時の冷静沈着さ、覚悟、芯の強さは大事だなあ…

監督特有の、終始やるせない場面が続きつつも最後は晴れやかに終わる、という流れがとても好き。女の解放。色褪せない主題が魅力的。
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