シネフィル母ちゃん

マイ・シネマトグラファーのシネフィル母ちゃんのレビュー・感想・評価

マイ・シネマトグラファー(2004年製作の映画)
3.2
「アメリカングラフティ」「ヴァージニア・ウルフなんかこわくない」「カッコーの巣の上で」(←この作品は途中降板させられている)
など、数々の名作映画のカメラマンを担当していて、アカデミー賞を二度も受賞した伝説的カメラマンのハスケルウェクスラーのドキュメンタリー作品。
面白いのが、このドキュメンタリー作品を撮影しているのはハスケルの息子ってこと。
なので親子喧嘩(ケンカというか息子が一方的に怒られてるだけ)が撮影中も耐えない。
オープニングシーンから、被写体である父親にめちゃめちゃダメだしされているカメラマンの息子がなんだか不憫(笑)

映画途中で息子はお父さんに撮影方法について何回もダメ出しをされてるんだけど、やはり伝説的な撮影監督なだけあってほとんどハスケルが言ってることが正しいので、「息子よ、頑張れ!」って応援したくなってしまった。


そして、この作品でインタビューする相手は豪華メンバーばかり。
インタビュアーが有名カメラマンの息子なので、やはり普通のインタビューと違って返ってくる答えが面白い。
これにはダメ出しばかりの父親も褒めたのではなかろうか笑。


映画関連のお話ばかりじゃなくて、政治の問題もたくさん絡んできて、「カッコーの巣の上で」を降板させられた理由なども判明して(まぁこれは真実かどうかは不明なんだけど)、映画ファンとしては十分に楽しめた。


やはり天才は癖があって、大変なんだなぁと。
私が監督なら、ハスケルは使いたくないなぁ。
監督業務に口出してきて役者との関係がギクシャクなるなんて地獄絵図すぎるもん!


天才は不器用な人が多い、父親になっても不器用なまま。
不思議な親子の絆を感じた作品だった