おくの

フォッグ・オブ・ウォー マクナマラ元米国防長官の告白のおくののレビュー・感想・評価

3.2
「ベスト・アンド・ブライテスト」の一人として、ケネディ、ジョンソン政権下で国防長官を務めたロバート・マクナマラのドキュメンタリー。

老齢にも関わらず、淡々と、理路整然と当時の政策を振り返る。
言い訳や綺麗事と感じる人もいるだろうけど、自分は当時を知るアメリカ人ならば余り思い出したくないだろうベトナム戦争を、政策立案者として取り乱さず誠実に語ろうとしている様子に釘付けになった。

始めからベトナム戦争は間違っていた、と今ならば言えるが、国内では社会運動、貧困問題が顕在化し、スターリンの死後にフルシチョフが現れ、毛沢東は大躍進を唱え、すぐ側ではカストロに威嚇され、東欧でも後に独裁者と呼ばれる政治家が台頭している、そして東南アジアにも世界から一目置かれる社会主義の指導者ホーチミンが現れた当時を考えると、戦後秩序形成の一翼にして大半を担ったアメリカ政府が反応し、「最良の、最も聡明な人々」がいきり立ち、打開策を講じなければならないと強く感じたのは、ジャズ・エイジに幼少期を過ごし、大恐慌後、ニ次大戦付近に20代を迎え、50年代の豊かさの中で社会的にのし上がった彼らの背景を踏まえれば避けられない事だったのかなと個人的には思った。