明石です

Mr.マグーの明石ですのレビュー・感想・評価

Mr.マグー(1997年製作の映画)
1.8
ド近眼でトラブルを起こしてばかりの大富豪が、ひょんなことから宝石泥棒と間違えられ、盗賊団やFBIやCIAから追われる話。「裸の銃を持つ男」シリーズのレスリー・ニールセン主演のドタバタコメディ。監督は香港出身のスタンリー・トン。う〜ん、これは香港流のコメディなのかな?ニールセン主演の映画なのに終始スベりっぱなしでクスリとも笑えなかった...残念。

ZAZの監督した作品群に比べるとどうしてもネタのわざとらしさが否めない。「レスリーニールセンの笑いってこういう感じでいいよね?」っていう手探り感というか、見様見真似でやってみた感が強くて笑えない。「裸の銃を持つ男」や「フライングハイ」はとことん真顔で自然に、それでいてちょっぴり普通とはズレてるところが面白かったのに。今作は明らかにズレ過ぎちゃってる。まあコメディ作りは相当に難しいんだろうなとは思うけど、ここまであからさまなボケは笑えないし、もはや主演がこの人である必要はなくなってる気がしてならない。

というかそもそも、主人公が近眼という設定の時点で面白くない...。目が見えないせいで立て続けにお馬鹿なことが起こっても、結局「いや、眼鏡かければ?」って突っ込めばそれまでだから全く共感できない。眼鏡かけるかコンタクト入れれば解決するようなことをなんでそんな回りくどくしちゃうの?って冷めた目で見ちゃう。だから余計わざとらしく感じるのかな。

あとニールセンがつるっつるに禿げ上がってるところに寂しさを感じました。歳をとってもなお色気があるイケオジな雰囲気が好きだったのだけど、本作は完全にお爺ちゃん笑。ネタのわざとらしさも相まって、普通にアルツハイマー気味のボケたお爺さまって感じ。

私的に1番の残念ポイントは、ニールセン演じる主人公が痴呆的なキャラになってる(なりさがってる)ところ。それに登場人物がみんな揃いも揃ってお馬鹿だから、ドタバタしすぎて作品に締まりがない。これじゃ知性の足りない人たちが作った「ビーン」や「ジョニーイングリッシュ」と同じだよ。。そのあたりの脚本が雑なコメディ映画と同じく、本作も、とりあえずこの人を主人公にさせとけばストーリーもボケも適当でいいや...みたいな雰囲気が感じられて非常に残念(そりゃレスリー出せば客は入るだろうけども!)。この程度で笑えるんでしょ?と、見る側を馬鹿にしてる感さえ感じる。ZAZの映画や「ポリスアカデミー」の脚本に関わった人が本作の脚本も書いてるのに、どうしてここまでつまらなくなったのか、、。

とりあえず、レスリー・ニールセン主演の映画でここまでハマれなかったのは予想外でした。楽しみにしてただけに(この映画のためにディズニー+登録した笑)、なんだか肩透かし喰らっちゃった。「ホームアローン」とかに作風が似てるし、アニメが元になってるディズニー映画だから、子供向けだと思って割り切ればそこそこ面白いのかも。まあほんとうにこの映画で笑える子供がいるのかは知りませんが......とりあえず、大人が真剣に見る映画ではないことは確か。
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