リリアソー

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還のリリアソーのレビュー・感想・評価

4.9
指輪を捨てに行くお話、3部作品の3作品目です(^^)

原作は未読の為、映画館でじっくりとストーリーを楽しむことができました。

フロド? 影の主人公サム?
いえいえっ、この映画の真の主役は タイトルの指輪と天まで届きそうな塔を造りだした冥王サウロン様なのです👁️❗️

デネソールさんの最期やスペシャルエクステンデット版を見た後にも思ったのですが、このシリーズの『悪』は塔の上から堕ちる印象を受けます。(※スペ版にはサルマン落下のシーンが追加されてます)

それはまるで天を目指すイカロスが些細なミスで落下していったように、大きな野望と力をもちながらも小さな誤算と傲慢さから堕ちるようです🗼🤸

サウロンもサルマンも人間ではありません。2者とも 塔より墜ちるという共通点がありますが、自分にはサウロンはサルマン以上に人間臭かったように思いました。
サルマンは これまで死を経験したこともなく、漠然と権力をもとうとしているのに対し、サウロンは死を経験しています。死を経験したうえで現世での富と力を求め続けるとは、ただ単に支配欲が強いのではなく、まるで歴史に名を残そうとしている行為のようにも感じられます🌏
また、サウロンは死を経験したからこそあの世界では最強だった自分の儚さを感じ、それを隠す為に周囲を威圧するような大きな塔を建てたとも考えられないでしょうか🗼
『生前』は、権力の象徴として小さな指輪を 自身の分身として創造したのに、『死後』は遠くからでも見える巨大な塔に自身が火の玉のように宿っているのです。私には、それはひどく人間的な行動のように思います👬👁️👬

サウロンが宿る塔が傾き始めるシーンも「うぉー、俺様はまだ倒れんぞー!」な雰囲気で周りの曇等も引きずりながら天にしがみついてるように見えました。自分という存在を、最後まで世界に誇示しようとし続けたその姿勢は、自らを魔王と名乗った織田信長のように、とてもカッコよく思えます。まさに偉大なるラスボスに相応しい風格でしたね!✨✨

ファンタジー★6 見易さ★3