KUBO

ロード・オブ・ザ・リング/王の帰還のKUBOのレビュー・感想・評価

5.0
【2015 アーカイブ】

「ホビット」の第1作目と2作目をBlu-rayで復習してから、劇場で「ホビット 決戦のゆくえ」を見て、そのエンディングにジーンときて、年末・年始で前作(だけど時系列的には60年後の続きとなる)「ロード・オブ・ザ・リング」三部作を一気に見ました。

まず驚くのは最初の「ロード・オブ・ザ・リング」が2001年の作品なのだが、2014年に作られた最終作「ホビット 決戦のゆくえ」の後に見ても遜色なく古臭くなく見れる完成度の高さ! セリフの中には整合性の上でいくつか修正した方がいいと思われる箇所もあるが、作品世界として完璧な六部作として成り立っている。

ただ、こうして2つの三部作を比較して見ると、あれだけ波乱万丈だったビルボの三部作が呑気に思えるほどのフロドの旅の辛く暗いこと。原作も純粋な児童書だった「ホビット」に対して、「指輪物語」は第二次世界大戦に向かう暗い世相を反映してどんどんシリアスな話になっていき、重〜いテーマを持った作品だけに当たり前と言えば当たり前なのだが…。

リアルタイムで見たときも気になったが、最後に「ひとつの指輪」が火口に落ちる際の件が原作と違っていることに改めて引っかかった。ネタバレになるから書かないが、未読の方には(読みにくい本だが)ぜひ原作を読んでほしい。その哲学的な示唆の含まれた決着のつき方は映画とはまた違った感動を与えてくれます。

なんにせよ、ピーター・ジャクソンは素晴らしいファンタシー・サーガを作ってくれました。
KUBO

KUBO