ホイットモア大統領

ハドソン・ホークのホイットモア大統領のレビュー・感想・評価

ハドソン・ホーク(1990年製作の映画)
3.4
『デス・ウィッシュ』公開記念で鑑賞。

ブルース・ウィリス最初の問題作。
本作で描かれるのは “カッコいいブルース” ではなく、ドタバタしたスラップスティック・コメディに興じる “おふざけブルース” である。無茶苦茶なアクションといい、何となく『ブルース・ブラザース』を目指したのかなと思った。「ブルース」だけに。歌も無いし違うか笑

しかし、その実態はブルース版『ルパン三世』。
ブルースがルパン、相棒トミーは次元、シスターのヒロインは脱がないけど峰不二子で、CIAのジェームズ・コバーンが銭形だ。五右衛門は不在だけど、仕込みナイフ使いの執事が登場。そして、小栗旬版よりよっぽどルパンしている!

ただ、なぜ問題作と言われるのか?その要因としては、コメディの割にスベっちゃってる回数が多いこと。加えて変な設定にあると思う。

ブルースはずっとカプチーノが飲めず、歌のランニングタイムで行動時間を計る。CIAのコバーンはカンフー使いで、後に『CIA:マイアミ』でホレイショ警部補を演じるデヴィッド・カルーソが、キットカットなる役名の頭おかしいキャラで登場。その他部下も菓子の名前。悪役の会社も世界征服の理由も意味不明だし、そもそも、ヒロインのシスター設定も全然活きてない。

なのに脚本は『コマンドー』、『ダイ・ハード』のスティーヴン・E・デ・スーザと、『バットマン リターンズ』のダニエル・ウォーターズのコンビ。どうしてこうなった。でも、そこはかとなく『リターンズ』のファンタジー感は漂っていると思う。本当に薄っすら。

それでもクライマックスは、90年代特有の景気の良い爆破と破壊、それに割と残酷な描写も平気で盛り込んでくるので、おバカ映画・ケレン味大好きな俺としては楽しんで見れました笑