びーる

ロリータのびーるのレビュー・感想・評価

ロリータ(1962年製作の映画)
4.3
キューブリック作品
「ロリータ」
今まで鑑賞してきたキューブリック作品の中で一番好みの作品です。

ウラジミール・ナボコフの同名小説をキューブリックがメガホンを取り映像化しました。中年の学者があどけない少女に翻弄させられるお話です。最近、谷崎潤一郎の「痴人の愛」を読んだこともあり、映画「ロリータ」でも両者の駆け引きや思惑など深い感情まで知ることができました。

普遍的な日常のなかに大きな刺激を欲するだけでなく、少女をものにするという自惚れが彼女に扇動させられる動機になったのでしょう。容姿は美しいが危険をを孕んでいるという二面性が魅力的ですね!

モノクローム映画ではありますが、純白な少女の肌が強調されます。小さな足に慎重にマニキュアを塗るシーンは何か揺さぶられるものを感じました。

シーンの移り変わりも特徴的でした。
規則性がなくパッと終わってしまう。何かもどかしい気持ちを感じさせる。気まぐれな少女との支離滅裂な駆け引きを表現しているのでしょう。ここまで欲求を掻き立ててくるとは…
びーる

びーる