かず

ロリータのかずのネタバレレビュー・内容・結末

ロリータ(1962年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

原作未読。
粘着質な気持ちの悪いおじさんたちにつけ回されるも、対等に渡り歩きおじさんたちからの"愛"を華麗に受け流し自分の人生を生きるロリータ。現代的なフェミニズムの印象。

ランバートもクィルティも、若い子を追っかけて人生を棒に振るし、終盤、若い女の子にお金を差し出すことしかできないおじさんの背中は哀愁がすごかった。一人で勝手に破滅していく2人のおっさんのバカさ加減と哀愁が際立つ円環構造も良かった。

一応おじさんたちを擁護すると、おじさんたちがロリータに向けるのは性欲だけでなく、ただ一緒にいたいという無償の愛、の
ようにも見える。でも自分が好きでもない人から愛を向けられても迷惑なだけだ。そのことはランバートもロリータの母親から好かれた時に重々承知のはず。

ランバートはロリータに、ロリータの母はランバートに愛を向けるが、愛の方向のすれ違いは切ない。

キューブリック監督はいろいろと容赦ない。
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