青二歳

キング・オブ・キングスの青二歳のレビュー・感想・評価

キング・オブ・キングス(1927年製作の映画)
3.9
セシル・B・デミルの名を知らしめた世界初キリスト伝映画化。世界初となれば王道かと思いきや、まさかのツッコミどころ多々。福音書に欠片もない設定がインパクト強すぎ。ユダが!マグダラのマリアが!アラララ...デミル先生…これ怒られませんでしたか(-。-;いえイエスは後光ピカーと特殊効果で確かに神々しい宗教映画ですけれども。最後の晩餐でやり過ぎなくらい聖杯が光るわこの辺りからイエスから後光が射すわ…

マグダラのマリアがイスカリオテのユダと恋仲設定とかすごいな。何よりユダのキャラクター、たまげた。
しかし翻訳がアカン…性に関する言葉を避けすぎて不自然。本作のマグダラのマリアは貴族じゃなくて娼婦なのに。あとマグダラのマリアを助けるシーンでイエスが地に書いた文字も翻訳おかしい。いやまずこのシーンはアリなの?っていうところですけども(聖書には何を書いたかの記載なし)
ルカ伝とヨハネ伝の印象的なシーンが多め。特にマグダラのマリアの特撮は…何もそこまでルカ通りにせんでも…いや楽しかったです、七つの大罪ぷしゅ〜。

パートカラーで、オープニングのマグダラのマリアが高級娼婦として貴族の館にいるシーンと、復活のあとお花畑にいるシーンがカラーフィルム。

さて淀川長治御大曰く、これ毎年お正月とかにテレビ放映される鉄板映画らしい。でアメリカの田舎のおとうちゃんとかは手を合わせながらありがたいと拝みながら観るらしい。ホントかい。
いつ頃までのお話なのか…それともキリスト伝の中ではアメリカじゃこれが一番評価高いってことなんだろうか…教えて淀川先生。かなり攻めた設定ですしエンタメに走ってる箇所が非クリスチャンの自分にはおもしろすぎて王道とは言い難いんですけども。ただ後世のキリスト伝映画に与えた影響は大きいことは間違いない演出でしょうが…
青二歳

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