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女の園のcocoのネタバレレビュー・内容・結末

女の園(1954年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

女学生たちが理不尽な校則や出自の格差に不満を募らせ、重大な出来事の果てについには学校に立ち向かう…という、あらすじだけ並べると大した話ではないように思えてしまう不思議。
古い日本映画、なにが映画の本筋なのかわかりづらい作りが多いよな〜とぼんやりみていたけど、
登場人物たちの短い会話や差し込まれる表情を追いながら話が少しずつ進み、
だんだんと避けようのない悲劇が立ち上がってくる様が見事だった。
物静かな人の長い手紙を読んでいるようだと思った。
あの些細なやりとりの積み重ねと、「アッ」と気づく瞬間がかなり贅沢なんだよな。
あらすじだけでは魂のことはわからないよな。

よしえはどうしたら死なずに済んだのだろう。
よしえのせいにも思えるし、下田のせいにも、富子のせいにも、寮母や両親のせいにも思える。
死ぬしかなかったんだろうか。
そんな悲しいことが、今の時代もあるのだろうか。
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