遺産相続を巡る骨肉の争い。
宮川一夫さんがカメラだったので、やはり構図に関しては眼を見張るシーンが多かった。
トップからいきなりそうくるかというアングル。
終盤の三姉妹だけが残された部屋のがらんとした感じや、墓地を斜め俯瞰で撮る感じなんかもやはり職人の仕事。
ストーリーも面白く、いわゆる懲悪勧善ものではあるが、大体の人間が欲望にまみれて、なんとかして自分も遺産の恩恵にあずかろうと必死でなんとも人間の醜さがすごかった。
妾の子が死産すればいいのに、とかマジで人としてヤベエ発言の連発で、やはり時代だからということか、そういうセリフを盛り込むのには恐れ入った。
都合が悪くなると耳が遠くなる番頭の存在がキーとなって展開していくのがストーリーとして整理されており、非常にわかりやすい本となっていた。