かぼちゃ

地下水道のかぼちゃのネタバレレビュー・内容・結末

地下水道(1956年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

"ソハの地下水道"と脚本が似ていると思ったが、ソハより50年も前の作品か。こちらが先か。ソハのインパクトが強く記憶に残っているので、この作品を見ているときは序盤から「あれ?ソハと話が似ているな?」と思い、終始ソハと比較しながら観ていた。ソハと人間関係や登場人物のキャラクターはほとんど違っているので、そういう意味ではソハはこの作品を丸パクリすることなくちゃんと作ったんだなぁと思ったし、舞台は同じ地下水道という、非常に限られた環境なのに、どちらの脚本も面白い。
また、ソハでは女の愚かな部分を晒しているシーンが多いと感じたが、この作品では女の逞しさを全面に押し出している。2.3人強く生きる女の人が出てくるが、そうそう居ないぞ、こんなにメンタル強い女の人。女から見ても好感が持てる、尊敬するレベルだった。

ソハとの一番大きな違いは、なんと言っても地下水道から出たあとの最後のシーン。
ソハではハッピーエンドであるにもかかわらず、久しぶりの地上に不安を感じた男の子が地下に帰りたいとつぶやくシーンが心に残ったが、こちらの作品では地下から出ることができた兵隊長が地上の悲惨な"負け景色"を見て無言で地下に戻るシーンがあり(地下は地下で毒ガスが巻かれているので死を意味する)、両作品はハッピーエンドとバッドエンドという真逆の終わり方をしながらも、地下に再び帰るという選択肢がどちらにもあるという共通点は見てて面白い。
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