｢灰とダイヤモンド｣のアンジェイ・ワイダ監督。
100分に満たない尺の中で戦争がもたらす悲劇をぎゅっと詰め込んだ名作。
ナチス占領下のポーランド。
レジスタンスが武装蜂起した所謂ワルシャワ蜂起。
対するナチスの反撃は凄まじく、市街戦では劣勢。
ザドラ中尉率いる中隊は包囲され、地下水道を通って別の街への移動を試みるが…。
前半部分で中隊の仲の良さを見せることで、後半の悲劇がより際立つ。
地下水道がまるで迷宮。
暗闇、悪臭、罠によってバラバラになっていく中隊。
出口の見えない状況にだんだんと追い詰められていく隊員たちの姿を見ていると、こっちまで息が詰まる。
この映画の面白さは、ナチスがほとんど姿を現さないところ。
肉体的にも精神的にも疲弊していくことで、自滅的行動を取ったり、人間の醜い本性が表れたり…。
第二次世界大戦終結から10年くらいしか経ってない頃にこんな映画を撮ってるのも凄い。
ワイダ監督のカティンの森も観なきゃ！
