らんらん

花の渡り鳥のらんらんのレビュー・感想・評価

花の渡り鳥(1956年製作の映画)
4.5
長谷川一夫主演の股旅もの、モノクロ映画
若手時代の市川雷蔵や勝新太郎の出演作でもあります

【あらすじ】
関係図がちょっと複雑なのでシンプルにまとめると

長谷川一夫は帰ってきた
3年前島送りになったのだがこの度恩赦により帰ることが許されたのだ
かつての恋人おしの(清水谷薫)は5年だろうと10年だろうと待っているはずだと信じて

だが、おしのは弟分であった市川雷蔵と夫婦になっていたのだ
2人は申し訳ないと詫びるのだが、長谷川一夫は精一杯強がって2人を祝福する

ところで、おしのは美人だったので地元やくざの親分(柳永二郎)がすけべ心を抱き強引に手込めにしようとしており、それを知った長谷川一夫はやくざ一家と対立することになる

その他
長谷川一夫に惚れてストーカー化する女スリ師の木暮実千代、その弟分勝新太郎
行きずりの瀕死の男(香川良介)に頼まれた娘さん阿井美千子&お付き夏目俊二(香川良介は柳永二郎に娘を託していたのだが、柳永二郎はその娘さんにもすけべ心出したので娘さんたちは逃避行)
なんかもサイドストーリーとして絡んできます

【感想】
完璧な娯楽時代劇、完璧な股旅もの、そして終わり方も好み
股旅ものってたいてい自己犠牲を通して男はつらいよ、お前ってやつぁなオチなんだけど
今作ではみんながある程度ハッピーなエンドなのが好き
木暮実千代は大勝利だし、長谷川一夫はまんざらでもなさそうだし

勝新は、、、正直完璧な脇役です
この頃はまだブレイク前なので、その後の勝新のイメージしか知らないとこれが勝新?ってなると思うんだけど
あの悪戯っ子みたいな表情がたまらない、すっごいかわいらしいの
そういった魅力はブレイク前からあって、今作なんかは特にかわいらしくて好きです

悪役の柳永二郎も見事でした
ほんと基本、お約束が素晴らしい!
「旦那が島送りになるかならないかはお前の了見次第」とか弱みを突く卑怯さ
とどめは「鬼にも仏にもなる男だぞ」と脅しをかける
その強烈すぎるスケベ心が破滅をまねくんですよねー

市川雷蔵は、、、2番手格だけどちょっと損な役かと
引き立て役って感じて頼りないキャラクターになってる
兄貴が帰ってきたからって奥さんに元さやに戻ったら?とか言って怒られちゃうw
あくまで長谷川一夫が主演だから仕方ないよねー

最後に、、、
この映画、以前見た「雪の渡り鳥」とタイトルも内容も紛らわしい、どちらも長谷川一夫主演の股旅もの
両方見たあとの今でも間違えそう、、、
らんらん

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