パエリア太郎

ガールのパエリア太郎のレビュー・感想・評価

ガール(2011年製作の映画)
4.0
基本的にそれぞれのエピソードが交わるこもなくぱっくり分かれてるので、なんかそれぞれのストーリーによって観てるテンションに差ができちゃいました。

悪い意味で出てくる女性がみんなドを越して美人すぎるので、リアルな女性の生きずらさを描くのには邪魔だと僕は思いました。

香里奈さん→ちょっとよくわからない話。
彼氏だって、職場だって彼女を受け入れてるし、お手本として上手くやってる人が提示されてるし、加藤ローサとウマが合わないだけの話。
しかも服装だけに絞ってガールなんて発想も逆にどうなの?と思いました。

吉瀬美智子さん→1番笑えると共に目指すところが若い男性に恋してしまったなんて可愛らしいもので、ガンバレ!と思いました。
あと無茶な欲を云うなら、吉瀬さんに若さだけで優位に立ってると思い込んでる女性社員たちこそ、こういう精神的に臆病になっちゃう女性を作り出してるって、その背景が男性に問題があったとしても、ここはガールって映画上、女性はみんな味方でいて欲しかった。
最後のエレベーターは爆笑しちゃいました。

板谷由夏さん→泣いちゃいました。ただ子供をカワイイカワイイしてる訳じゃないのに愛情が伝わってきて、何回かウルウルきちゃいました。

麻生久美子さん→泣いちゃいました。
部下とのハグで泣かされ、旦那とのハグで泣かされ涙腺が壊れました。
ここまでの上地さんの雰囲気だったり、麻生久美子さんが挨拶の前に練習してるってワンシーンを入れたりと丁寧な演出も素敵。
ただ、1番個人の力では解決しがたい、映画のテーマを総括するような話なのに、各話を同時進行に見せていく作り上、わかりやすいを目指したのも納得ですが、もっと表面には現れない性差別じゃないと
要潤がキチガイ過ぎるで終わっちゃう話でもありました。

全体的に本当に楽しく見れました。必要以上に湿っぽくないし爽やか。
性格の悪い僕は「お前にも問題があるんじゃないの?」的な気持ちがすぐ出ちゃうんだけど
全然、彼女達の抱えてる問題は彼女たちのせいじゃない!って全面的に応援できる
ポスターのギラギラ感をイイ意味で裏切ってくれました。

最後に、これは僕が男だからなのかもしれないし
女性誰しもがこういう気持ちを持ってるなら、ここからは見当はずれの感想なのですが

加藤ローサさんが元から美人すぎる問題は置いといて、最後の華やかなショーって凄い女性として生きづらい事を受け入れてる様に見えちゃいます。
加藤ローサさんみたいな女性の在り方だって絶対肯定してあげて欲しいし
あのスタイルを貫き、成功して賞賛を浴びてほしい
着飾って褒められることが
香里奈さんの言うように「女として楽しまなきゃ損。」と一口にまとめられちゃうのは、女性としての価値の押し付け感が強く、このテーマに相反する気がします。
(でも、エンディングのワンシーンで決して一概にはそうとも捉えきれない、押し付けがましく映らない配慮も描かれてるのも、この映画の憎いところでも有ります。)

だから、香里奈さんのエピソードだけはどうしても受け付けないって事かもしれません。ナレーションも辞めてもらいたいっ!
でも最後の恋人とのディナーには心温まりました。
パエリア太郎

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