刺激を追い求めている元報道記者の中年男（遠藤憲一）が、自らが招いた家庭崩壊を報道ネタに仕立て上げようとする。三池崇史監督が、ときおりストレス発散的に製作する、非一般大衆向け不条理コメディ。
主人公の家族は、人妻売春で薬物を入手しながら現実逃避する妻（内田春菊）、無防備な母だけに暴力をふるうイジメられっ子の息子、その他ホニャララという構成。人間という生き物の脆い部分を、エログロナンセンス満載で描写していくスタイル。
トランス状態に入っている主人公がカメラをぶん回しながら死姦するシーンと、妻が本物の母乳シャワーを噴出させるシーンが抱腹絶倒の面白さ。死体解体を仲睦まじい夫婦の作業として描くところもエクセレント。
若手女優の体当たり演技もまた素晴らしく、ティーン向けモデルからドロップアウトしたばかりの不二子が華奢な肢体を披露。全裸のままで死後硬直を演じ続ける、中原翔子の役者根性にもサムズアップ。映像に見切れる録音マイクはご愛嬌。
