映画詩人(映像詩人に非ず)の映画遺言(映像遺言に非ず) グル・ダット「紙の花」
この作品の存在を知ったのは25年ほど前。
知らしめてくれた蓮實重彦の映画評から観たくて観たくてしょうがないのに今日まで巡り逢うことないまま年月が流れましてついに鑑賞が解禁され観終えた今、何故かくもこのような年月が必要だったのかが分かる気がしました。
私自身の怠慢ゆえではございません。
こんな映画20代のガキの頃なんかに観ても100分のイチも咀嚼できません。
観るべき時期に向こうから近づいてくれたに他なりません。
初老に差しかかる今になって初めて味わえる「驚き」がいかにも自分だけに与えてくれた特権のような気がして隠匿と推薦の欲望が同時に体内に宿して心地よい困惑を味わっております。
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という戯言でさえご都合主義の神様グル・ダット作品なら温かく受け止めて下さる気がいたします。