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盗聴作戦のHKのレビュー・感想・評価

盗聴作戦(1971年製作の映画)
3.5
ショーン・コネリー追悼(享年90歳)。 
最近見かけないと思ったらもうこんな歳だったとは・・・
2006年には既に引退宣言していたんですね。
(私くらいの年になると10年前も最近です)。
これを機に今までスルーしてきたS・コネリーの主演作品をいくつかセレクト。

なぜかスルーしていた作品 その①(70年代)
本作はコネリー(当時41歳)がユナイト最後のジェームズ・ボンドを演じた『ダイヤモンドは永遠に』と同年に公開された作品です。
『ダイヤモンド~』がカツラだったことがよくわかります。
頭頂作戦・・・もとい“盗聴作戦”というのも妙な邦題(コネリーは盗聴しません)。
原題は“The Anderson Tapes”
アンダーソンとはコネリー扮する強盗団のリーダーの名前。

監督:シドニー・ルメット(『十二人の怒れる男』『未知への飛行』)
音楽:クインシー・ジョーンズ(『質屋』『夜の大捜査線』)
共演:ダイアン・キャノン、マーティン・バルサム、クリストファー・ウォーケン

なかなかの面子ですが、ルメット作品としては肩の力を抜いたクライム・サスペンスで、後の『ファミリー・ビジネス』(1989、これもS・コネリー)あたりの雰囲気でしょうか(実はあまり覚えてませんが)。独特のユーモアもあります。
でも強盗団が自滅していく展開は同じくルメットの名作『狼たちの午後』に通じる所も。
ルメットとコネリーは意外と多くの作品で組んでおり、他にも『丘』(1965)、『怒りの刑事』(1972)、『オリエント急行殺人事件』(1974)など。

刑期を終えて出所した主人公が早速次の仕事にかかる展開はマックイーンの『ゲッタウェイ』やレッドフォードの『ホットロック』を思い出します(あ、音楽は偶然どちらも本作と同じQ・ジョーンズ)。
クリストファー・ウォーケン(当時28歳)は今まで見た中で一番若かったウッディ・アレンの『アニー・ホール』より6年も前の作品。
ルメット組常連マーティン・バルサムのオカマ役(あえて当時の表現)が意外にも似合ってます。

ちなみにコネリーはJ・ボンド役以外では本作が最後の髭なしキャラ。
翌年の『未来惑星ザルドス』以降、唯一ボンドに復活した『ネバー・セイ・ネバー・アゲイン』を除いて全て髭キャラで通してます。

最近私も頭頂部がコネリーに似てきたし、ヒゲ生やそうかな・・・
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