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金日成のパレード/東欧の見た“赤い王朝”のぶぶこのレビュー・感想・評価

4.5
建国40周年記念のパレードを、ポーランドスタッフが淡々と撮影しており、却って凄みを増しているドキュメント。
佐藤慶の淡々としたナレーションが素晴らしすぎる。これは1988年の建国40周年セレモニーをポーランドのスタッフが撮影したもの。ちょうどその頃、ソウルではオリンピックが、そして東欧はビロード革命をはじめとして、「崩壊」の足音か聞こえつつあった頃なんだよな・・・と感慨に浸る。
映画を見終わった後、一緒に見た学生には「北朝鮮の金王朝は、天皇制の最悪のカリカチュアの一つ。戦前の日本は、外から見たらあんなもの」だとか「マスゲームは美しいものです。全体主義は美学を何よりも重んじます。ナチスの軍服が「美しい」のは当たり前」だとか、「映画で金日成同士、万歳!と叫びまくっているけど、「万歳」という言葉も日本が発明して輸出されたんだよね。ちなみに安重根はハルピンで伊藤博文を射殺したとき、周りのロシア人に聞かせるためにロシア語で「ウラー(万歳)」と叫んだんだよ」とか、トリビアも交えつつ解説。
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