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金日成のパレード/東欧の見た“赤い王朝”のRenkonのレビュー・感想・評価

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(@シネマヴェーラ 2014.11/19)

完全に未知な作品だったが、女っ気なしの前に一作見るか!って事で観た(結局女っ気なし見れなかったけどな!)
今作は1988年当時の北朝鮮に招致されたポーランド国営社による、北朝鮮の内部映像が収められている。
まるで外向けといった感じの綺麗な部分しか見せない作り方であり、正直退屈だった。
しかし北朝鮮の団体芸は凄い。
パレードの会場の客が板みたいのの向きを変えると金日成の顔になったりならなかったり。
あと金日成の生家も出てきた。
そうしてるうちに不思議と、、睡魔が、、きて、、あれ?寝た。
目覚めると「JSA」にも出てきた境界線みたいなトコが出てきた。(ほら!あの写真のやつ!)
子供が銃をいじくっていた。
最後にパレードの映像が映し出されて終わった。

個人的にはその後流れた「北朝鮮、素顔の人々」という短編作品の方が衝撃的だった。
北朝鮮では、あくまで上流階級の生活しか基本撮影許可が出ない。
それほど下級階級の人民の生活は困窮してるのだ。
"無断撮影したものは公開処刑"という危険を冒してでも、この撮影者は人民たちの実態を映し出す。
人民はヤミ市で生計を立て、孤児たちは観光客の捨てた腐った食べ物で飢えを凌ぐ。
孤児たちは浮浪児と呼ばれ、街を彷徨う。
まるで戦後の日本のような姿が、現代の北朝鮮には存在している。
実際にタブーを犯した人民が、公開処刑される映像が挿入される。
社会主義を妨害したものは、こうなるというアナウンスの後、遠くに見える人が射殺され、身体が倒れこむ。
中学の頃に友達に見せられた、アフガンでの処刑動画を見せられたのを思い出した。
映画ではなく、リアルな世界でそれは執り行われていた。
兵士が武器を移動するのが面倒だという理由で、処刑場所近くの民家に置いていったというエピソードも酷い。
あまりの理不尽な実態に唖然とした。
本編である金日成のパレードとこの素顔の人々は、二つで一つなのだろう。
"対比"によって真実が抉り出されている。
観光客相手に歌う少年の歌声に、民衆の精神が宿っていた。
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