ミーハー女子大生

ディパーテッドのミーハー女子大生のレビュー・感想・評価

ディパーテッド(2006年製作の映画)
4.2
【あらすじ】
犯罪者の一族に生まれたビリー(レオナルド・ディカプリオ)は、自らの生い立ちと決別するため警察官を志し、優秀な成績で警察学校を卒業。
しかし、警察に入るなり、彼はマフィアへの潜入捜査を命じられる。
一方、マフィアのボス、コステロ(ジャック・ニコルソン)に可愛いがられて育ったコリン(マット・デイモン)は、内通者となるためコステロの指示で警察官になる。
マフィアに潜入した警察官と、警察に潜入したマフィアの死闘がスリリングに描かれる。

【感想】
原題のThe Departed は「死者」を意味し、キャッチコピーにも「男は、死ぬまで正体を明かせない」とありますが、まさに本作は正体がバレたら殺されるというスリリングな状況を描いた作品でした。
主人公の刑事ビリーは、街一番のマフィアであるフランクの元に潜入し、組織の情報を流します。
一方で、フランクの腹心コリンは、自分達を追う警察に入り、捜査を撹乱させます。
お互い正体がバレればフランクに殺されるという状況下にあり、二人の動きに目が離せませんでした。
こういう映画を観るといつも思いますが、潜入捜査官や内通者って、嘘をつく力とメンタルが強くなければできませんね...。

そして何よりこの緊張感を倍増させていたのは、名優たちによる圧巻の演技力でした。
刑事ビリー役のディカプリオは、マフィアの仕事をすることに対する恐怖と苦悩を見事に表現していましたし、腹心コリン役のマット・デイモンは、正義感溢れる姿を装いつつも、実は悪というギャップがとても良かったです。
また、フランク役のジャック・ニコルソンは、改めて怖い演技が似合う俳優だなと感じました。
名監督・名優が集結した本作、アカデミー賞に輝いたのも納得です。

ここでは多くのことを語れませんが、とにかく本作のラストは衝撃的でした。
思わず「え」と声が出ましたし、頭が真っ白になりましたね。
「もうこれまでの内容入ってこないよ」とツッコんでしまうくらいのレベルです。
どんでん返しというわけではないのですが、“画”で直接的に見せるショッキングさ、もう一生忘れないかもしれません。
これはぜひ、まだの方には観て欲しい作品ですね。

本作は、大ヒット香港映画「インファナル・アフェア」のリメイクで、物語の舞台をボストン南部に置き換えた作品となっていますが、マフィア vs 警察の戦いが繰り広げられ、
銃撃戦による殺し合いが描かれており、アメリカの銃社会を彷彿させられました。
ラストのマーク・ウォールバーグ演じるディグナムの場面をはじめとし、本作は"銃"が
とても印象的に登場していたように思います。
マフィア側も警察側も容赦なく発砲していて、何かこう銃に対する考え方を刺激するような、そんな危険な香りを感じてしまいました。
まぁでもこうして危険な香りと表現しましたが、決してネガティブな感想だけではなく、それだけリアリティがあって社会問題をズバッと突き付けてくる、とてもよく出来た作品なんだと思います。
改めて本作は面白かったので、本家「インファナル・アフェア」も機会があればぜひ観てみたいです。

ストーリー 4
演出 5
音楽4
印象4
独創性 3
関心度5
総合 4.2

31/2023