ぴよまろ

ファイト・クラブのぴよまろのネタバレレビュー・内容・結末

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

デヴィッド・フィンチャー監督作品。不眠症に悩む主人公が、自身の理想像のような男性と出会い、大勢の男たちが集まるファイトクラブ(喧嘩)を主催するようになり、それがいつしかテロ集団と化していく物語。

地下格闘モノと思いきや、抑圧からの解放をテーマにした、思想的な作品でした。冴えない主人公が内面に持つ理想が、タイラーという男性性の塊のような人物を生み出したという物語のため、タイラーをとても魅力的な人物として描かれていることが面白いです。タイラーの語るセリフが、いちいちカッコいいことが悔しい。

映画的な仕掛けが満載で(マーラとのやりとりの全てや、サブリミナル演出)、暴力的な物語が展開している横で、遊びがそこかしこに潜んでいるのが最高です。タイラーと出会う前からあちこちにタイラーが潜んでいるなんて、言われないと分からない笑

また、こんなに暴力的な作品なのに、意外と死者は1人しかいないのがすごい。そのため、ボブの死が、この物語のキーとなるべく、印象的に演出されていることが、細部まで計算された物語を感じさせてくれました。

本作を、好きな人と嫌いな人に分かれる作品と思いますが、だからこそ唯一無二で反響のある作品ということも納得です。
ぴよまろ

ぴよまろ