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ファイト・クラブのおはうちのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
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午前十時の映画祭で『ファイト・クラブ』見に行ったら、お客さんが始まる前に指をポキポキと鳴らしてたから多分ファイト・クラブの会員だと思う。

スクリーンに映る虚構の存在であるブラット・ピットから「お前達はクズだ」と檄を飛ばされて、やってやりますよモードになるんだが、映画が暗転して終わる寸前でチン○を映すから、こんなの観て面白がって感心してんじゃねーよって冷や水をぶっ掛けられる終わり方、凄いな。

急にコンビニでアルバイトしてるアジア人を店裏に引きずり込んで、銃口を突きつけながら獣医になるのを諦めたことを叱責するシークエンスのタイラー・ダーデンの怒り、夢を諦めて緩やかに死んでいく人間への怒りをド直球に投げて来る。

酒場のオーナーがやってきて、夜な夜な地下で殴り合いやってるのを止めるようとしたらタイラー・ダーデンが身体を張って地下を使う権利を獲得するくだりは燃えるというか、暴力には非暴力で徹底抗戦していてカッコいいんだよね、ここは極端にカッコいい。

殴り合いで生じる本当の痛みで生じる団結感や信頼関係が本当に存在すると鬼気迫る感触で錯覚させておいて、そいつらが調子に乗って破壊活動をしまくるトンチキな連中に成り果てるまでを描いていながら、ファイト・クラブは現実に作られたってのが嘘っぽく感じて面白いよ。

ビルの倒壊は未然に防げないからタイラー・ダーデンの計画通りだけど、それって自分の潜在意識の計画の成就であるから悪いとも思えないんだよね。しかも、当事者じゃないのにグループセラピーに参加する趣味が同じで気の合う女性と手を繋いでいくから万々歳なんだよね、不思議。
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