つじくん

ファイト・クラブのつじくんのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
4.8
不思議な映画。ヒューマンドラマでもアクションでもサスペンスでもある。
タイラー・ダーデンという一人の男と出会ったが為に変わっていく僕の話。

不眠症を患っていた主人公は、己に無いものを造りあげ自身を満たしていく。タイラーとの“ファイトクラブ”もそのうちの一つだ。毎週土曜の晩、バーの地下に集まった男達が殴り合う。
次第にファイトクラブはフランチャイズ・チェーン店のように規模を拡大し、創始者でオーナーであるタイラーの指示の元、僕の目には届かないくらい全国展開して経営方針も“犯罪集団”へと変わっていく。

回収された伏線は珍しいものではない。しかし、この映画ではその伏線をとても丁寧に描いている。
エンドクレジットもよく見て欲しい。

ファイトクラブを見る僕達も、どこかにファイトクラブがあれば、「野蛮だ」「恐い」「危ない」「アホらしい」の中にきっとほんの一匙の「でも興味がある」が生まれる。
その中の誰かがタイラーと一緒にファイトクラブを造りあげるかもしれない。
だけどこれは忘れてはいけない。ファイトクラブの最も重要なルールは「ファイトクラブの事は口外するな」。

着飾ったもの、肩書き、理性、コミュニティ、全てを脱ぎ捨てて裸になりたくなった時、この映画を見る事を“僕の”ファイトクラブとしよう。
つじくん

つじくん