緑青

ファイト・クラブの緑青のレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.8
現代に潜むマッチョイズムの顕現。ブラピがひたすらに「「男性性」」だった。ブラピに何の役させたい?ってアンケとって集計して男性投票第1位がタイラー・ダーデンで総計だと第1位ラスティ・ライアンでしたみたいな感じ(いまめちゃくちゃ適当いいました)。
冷静に現代に生きる自分の立場で考えたらファイトクラブおよびその計画はホンットーーーーに(言葉を選ばす言うと)クソなので私は観ながら結構な勢いでキレてた(というよりマッチョイズム描写として猛烈に納得してた)んですが、ただ映画として主演の芝居が死ぬほどうまくてメタ的でよく出来てて普通に展開にびっくりさせられて怖くて面白い。ラストシーン、どう考えたってめちゃくちゃだったんだけど、ああそうだよなぁ、こういうのが人生だよなぁってわけのわからない説得力にやられてしまった。始まりも途中も最後もゲラゲラ笑いました。笑いながら怖くなる。でも笑うしかない。
しかしこれが評価された(されてる)ことには映画界の(水面下で息をする)男性性への欲望を感じざるを得ない、たぶん今年公開だったらこんなに売れてないんだろうと思います。ヘレナボナムカーター素晴らしかったけどまさに「ファムファタル」の役割だったし、なんだこの映画、世紀末のフランス絵画か? あまりにも剥き出しすぎるもん。
否が応でも湧いてくる高揚感と胸糞悪さみたいなものを感じた良き映画体験でした。
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