ハッピーアイスクリーム

ファイト・クラブのハッピーアイスクリームのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
5.0
不眠症に悩む男が、出張中の機内で出会った石鹸の行商人・タイラーと、男同士の1対1の殴り合いを行う“ファイトクラブ”という組織を立ち上げたことから陥る窮地を描いたサスペンスドラマ。

“人生の持ち時間はいつかゼロになる”

チャック・パラニュークの同名小説を『セブン』のデヴィッド・フィンチャーとブラッド・ピットが再び手を組んで映画化した作品。

Filmarksを利用するほど映画好きの皆さまなら、この映画は別格っていう“生涯ベストムービー”がある方もいるんじゃないでしようか。
僕の生涯ベストは(ベストと言っときながら)何作かあるのですが、そのうちの1本がこの『ファイト・クラブ』です。

初めてこの作品を観たのは中学の頃だったと思うのですが、正直なところ、当時はこの作品の良さをあまり理解できず、あのどんでん返しの印象しかなかったんです。
ところが、キッカケは忘れたけど、ふと、このセリフを思い出したんですよね。

“お前らは 歌って踊るだけの
この世のクズだ”

相当、病んでたんでしょうね。
厳密に言うと吹き替え版の山ちゃんが言ってたセリフ。

人間なんてものは究極のところ、生まれてから死ぬまでの時間を消化していくだけであって、どれだけ高価な物やトレンドを手にしたところで自己満足に過ぎない。
もちろん、裕福でゴージャスな人生の方が楽しいだろうけど、そこに痛みや苦しみを感じなければ、生きてるとは言えないのではないか。

ええ大人になって、いろんなことを経験して、ようやくタイラーの言ってたことが分かって、すごく気持ちが楽になったのを覚えています。

今回観直してみて、映画としても面白い実験的なことをやってるし、音楽だって最高にカッコいいし、エドワード・ノートンの死んだ目も好きだし、語り出せばキリがない名シーンのオンパレードですが、やっぱり、この映画最大の魅力はタイラー・ダーデンです。

消費こそが美徳とされる世界で、傷だらけになって生きてることを証明しろという滅茶苦茶だけど筋の通ったタイラーの信念。
現実には、なりたくてもこうはなれないからこそ惹かれる魅力。

“お前は物に支配されている”
“ワークアウトは自慰行為だ 男は自己破壊を”
“死ぬなんて 彼女は利口だわ”

映画というのは、ほんとにいろんな事に気づかされる。正しいかどうかは別として。

僕はジャックの探究心です。