hama

ファイト・クラブのhamaのレビュー・感想・評価

ファイト・クラブ(1999年製作の映画)
3.9
深すぎて理解しきれないのが悔しいけど考えさせられる。何度見ても新しい発見がありそうな映画。

〜タイラーの言葉〜
「お前は物に支配されている。もっと自然な生き方をしろ。」
「財産がなんだ?人は財布の中身でもファッションでもない。お前らは全員クズだ。」
「"いつか死ぬ"ってことを恐れず心に叩き込め。」

これらが全て、自分が作り上げた"もう1人の理想の自分"の言葉というのが震える。

誰しも"こうありたい"っていう理想の自分はいるけど、1人じゃ変わり方が分からない。というか、変わるにはかなりのエネルギーが必要で、それを行動に移させるほどの原動力(=どん底に落ちる経験)が私のような多くの人間にはないのだと思う。
主人公もきっと、マーラというきっかけが無ければタイラー(ブラピ)に出会うことも、変わることもなく、ずっと綺麗なスーツを着て、綺麗な部屋で一生を終えていたのだろう。

だから、物に執着することでアイデンティティを確立し、他者と自己を差別化しようとする。その結果、消費合戦、知識合戦が始まり、皆本質を見失い、他者より優位に立とうと無駄な競い合いが起きる。

「もっと自然な生き方をしろ」

ささる。どの時代に生きていたとしても、きっと私たちの人生の課題になるんだろうな…。
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