仕事でなかなか新作が観れず、以前のレビューを手直し。
と言うのも、スコアなと評価のバラツキが出てきてしまって、、
レビューを書き始めの頃の方が辛口だったかもしれないな。
さて、今秋も新作が作られる吉田修一のベストセラー原作の映画化。
僕も長編ながら一気に読んだ。重層的な人間描写が読者を惹きつける、そんなところが映画化に相応しいのかもしれない。
本作の魅力はその重層的な人間ドラマを実力ある役者陣が自らのイメージやキャリアから少しだけ冒険して、新たな面にチャレンジして、見せてくれた点である。
まずは原作を読んだ人の多くが思うだろうこと、
「えぇっ、妻夫木聡?」
劣等感と孤独感を全身に覆っているような内気な田舎の青年。
妻夫木聡が持っている明るさや善良さをかなぐり捨てるチャレンジ!
後半相手役になる深津絵里。
上手いのはもう分かってる。けど、彼女も落ち着いた、知的な女性像を捨てて、その場の情愛に日常を取って変わられてもいい!と行動する情の部分の表現が見事だった!
妻夫木聡を育てる樹木希林。
是枝作品で見せるひょうひょうとした雰囲気たは違い、とんでもなく大きな不幸に出会い、なすすべなく呆然とする老人を演じている。
よく背中で演技するって言うけれど、
まあ〜素晴らしい!
希林さんの輝かしいキャリアの中でもトップクラスの名助演だと思う。
チャレンジというのも点では、岡田将生と満島ひかりもそう!
なんたるウザさとチャラさ。これも日本映画ではチャレンジの一つ。
悲しいかな、日本映画は名が売れている美男美女に悪い印象の役はやらせない。
本作でイメージ通りの役は、娘を殺された真実を追求する柄本明。
それぞれの名演技がぶつかり合いが本作の魅力なのだが、皮肉なことにこの映画の弱点にもなっている気がした。
後半深津絵里と妻夫木聡の逃避行はそれはそれで見応えがあるのだが、そこまでの複数の人間模様との整合性というか、エピソードの重力の違いがあるように感じた。
ただ、見応えがある問題作であることには変わりない。秋の新作も楽しみ?期待しよう!わ
初期の拙いレビューにいいね、してくださったユーザーの皆さん、ごめんなさい🙏