このレビューはネタバレを含みます
怒りの監督の名作とのことで鑑賞。
かなり際どい。
深津絵里が妻夫木をこれほどまでに好きになるきっかけが同じ境遇だというのは十分すぎるほど理解できたし、深津絵里が妻夫木の立場なら同じことをしてたのだろう。
そもそも本当の悪人は誰なのか?
世の中的な悪人とは自分にとっても悪人なのか?
悪人とは人を殺めてしまうと悪人なのか?
ただ、結果論この映画を鑑賞して「いやいや、妻夫木が悪いやんけ」と思ってしまった自分にとっては何の価値も産まれなかった。
当たり前の様に、悪人とは私自身の中で人を殺めた人間なんだと感じさせられた。
いやむしろ、当たり前の様で当たり前でない感情というべきだろう。
そしてお父さんに対して岡田将生を殺したらダメだ!と思ってしまったのも結局妻夫木が悪いと私自身が感じてしまっていた為だろう。
そして出会い系や不純な関係というのに対しても私自身が悪を感じているんだとしみじみ。
むしろ深津絵里に対して同じ境遇ということはわかったとして何故そこまでできるんだ?と思ってしまったのが最大の欠点。
だが、違った価値を考えさせられる良作だとは思った。