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悪人のamuのレビュー・感想・評価

悪人(2010年製作の映画)
3.7
最近、「怒り」を改めて観て、あー監督ほんと巧いなーの一言で。こんなに絶賛しまくってしまうほど好きなのに、他作品観てないとかどうなのよと自分にツッコミ、ひとまずこの作品は観ておかねばと手を出しました。

2010年の作品。今から十年前!
十年前のブッキーって、こんな若々しく蒼々しかったんだっけ!驚
思い返せばドラマ「池袋ウエストゲートパーク」や、映画「ウォーターボーイズ」の頃なんかヒョロヒョロで背筋なんかなくて、ただ愛くるしい子リスのようなこれぞジュノンボーイ!なだけだったのに(そんなブッキーに恋していた。笑)、「怒り」ではどっからどう見てもタチのゲイにしか見えないくらいの色香を放つようになり、もンの凄い成長を見させてもらっているなあと感慨深さもあり。そしてそのちょうど中間地点ともいうべきなのが、十年前であるこの作品なのかなと。2010年って、もうなんか凄い大昔なんだなーとも観ながら、諸々感じた。光石研、樹木希林がめちゃくちゃ若いし。でんでんの使い方とか。笑。 柄本明は化石なんかな?てくらいいつの世も全く変わらないけれども。

ストーリーの感想としては、誰にでも経験として、まじで殺したいくらいムカつく奴にムカつくこと言われて、そのせいで眠れなくて、夢の中で殺しちゃって、目覚めて、あ~ よかった、夢だった~~、あんな奴のせいで人生棒に振るところだった、ムカつく奴のことなんて忘れて、朝ごはんを食べよう!てなるのが幸せだとしたら、ほんとに殺っちゃった!!!どうしよう!てなってしまった主人公の苦悩を主軸に、まぁ色々それまでの生い立ちやら経緯やら、周囲の人間のことやらなんやらな話なわけですが、やっぱね、ダメなんです、自分で自分を不幸にしては。んなことわかってるだろうけど、それでも殺っちゃったものはもう取り返しつかないわけだから、彼がとてもいい子なのはわかるからこそ、観ている者も、深っちゃんも辛かったわけで。

本当の「悪」というか、日常にはもっともっと名前のつかない、犯罪にもならない悪もあって、それを真っ向から受止めてしまった者の方が、痛い目みたりして、生きるのってほんとに大変。

岡田将生、満島ひかり、松尾スズキの三悪人な。ムカついて眠れなくても、人生棒に振らないように無視しましょう!

なんかくだらない感想になっちまったな。結果、私は断然「怒り」の方が好きです。これはもう、原作のほうの問題であって監督手腕ではないかな。李監督のクセが垣間見えたのは嬉しかったです。(空撮とか。)
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