MasaichiYaguchi

神様のカルテのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

神様のカルテ(2011年製作の映画)
3.3
この作品は本屋大賞二位、夏川草介さんのベストセラー小説を櫻井翔さんと宮崎あおいさんのダブル主演で映画化したもの。
原作を読んでいますが、多少変更はあるものの、ほぼ原作通りに映画化されている。
櫻井翔さんが主人公の栗原一止を格好つけずに真摯に演じ、宮崎あおいさんは相変わらずの演技の上手さで榛名をキュートに演じています。
独身男性諸君は、さり気無く内助の功を発揮する可愛いハルさんみたいな奥さんに憧れるのではないかと思う。
映画は、地域医療に根差した総合病院に勤める医師が日々出会う患者達や、周りの人々との生活のなかで、「医療」のあるべき姿を、大上段ではなく、優しさと癒しのなかで見出していく姿を感動的に描いく。
それにしても、一止の勤める24時間365日OKの「本庄病院」の対応は「凄い!」の一言に尽きます。
35時間勤務は当たり前の病院スタッフの人々には、ただ頭の下がる思いです。
最先端技術の医療で多くの人々の命は救うことは出来ると思いますが、果たして患者の心まで救うことは出来るのだろうか?
言い古された言葉ですが「医は仁術なり」と思います。
柄本明さんが演じる古だぬき先生に「ばかだなあ、後悔するよ!」と言われながらも、一止が決断した選択に拍手を送る人は多いと思う。
原作を読んでいても、「門出の桜」や「安曇さんからの手紙」のシーンでは涙を我慢することが出来ませんでした。
そして今、多くの医療従事者の方々が一止のように最前線で新型コロナウイルスと戦っていることに改めて感謝の思いを新たにします。