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レッド・ムーンのLUXHのレビュー・感想・評価

レッド・ムーン(1968年製作の映画)
3.3
なんとなく気楽に見たい気分。みたいな雰囲気西部劇鑑賞にはおすすめかもしれません。セリフや関係性が少なく何がそうさせるのかといった不自然な心理行動が謎を呼ぶので最後まで見てしまいました。冒頭をなんとなくしか見てなかったので原因がそこにあったら申し訳ない。

馬術が凄いなーとか。ロケ地や衣装が馴染んでていいなとか。見せ場はあったと思います。小説が原作っぽい?ですね。脚本があれだったのかな…

---あらすじ、ネタバレ---
長年働き自分の牧場を持つ夢を叶えた男。その地へ急ぎたいところ、先住民の父親から逃走を図る子連れの白人女性の懇願を受け、情の揺らぎで手助けし匿うことに。追っ手(先住民である父親)は執念深く、軌跡を辿って皆殺しにしながら近づいてきていた。女は罪悪感からその場を立ち去ろうとするが、誰彼構わず殺す父親はここで止めなければ、と男はなだめ、数人の仲間と家に籠城しながら迎撃する態勢をとる。

●子供が懐かない
母子ともに心を許すことがないというか、警戒心が強く、子供に至っては言葉を話すことが出来ず時々盗んだり逃走したりもします。母親の都合で逃げてきた感じがして、彼にとって良い環境とは、という面が常に感じられます。実際、劇中でも先住民の人生をとるだろう、と主人公が白人の仲間に言われ、そうかもな、などと話をしています。

●おじいさんが謎
護衛で留守番も任されるやや頼りになりそうなおじいさんが犬を殺されて絶望的になり、ふらふらと武器も持たず敵がいそうなところへ導かれていってしまいます。うわーっという声とともにあっという間にやられてしまいます。

●母親が連れ去られるも放置、生殺し
関係ない奴等を抹殺するような男が、妻?を拉致しては引き摺り回して放置する意図がわかりません。息子も近くにいたようですし目的が皆目わかりません。

●先住民、1人。父、強い。
奴は足音もなく現れる。姿も見えない。惨殺。全滅。そんな手腕の設定である彼は、馬を巧みに操り、罠を貼り、ガンガン一発で主人公以外は急所を撃ち抜いてきます。食事や寝床、武器の蓄えはどうやってまかなっているのでしょうか。ちょっと戦時中の米が作った日本兵、強い、ヤバイ、意味わからない。のプロパガンダ映像を思い出したりしました。

●銃、使わない。
お互い撃ち合って銃が投げ出され、大詰め付近では棒でもみ合います。あ、そんな展開なんだ、とちょっと見所に感じました(

白人は、善良な風に書かれています。ちっともなつきませんが子供にポーカーや言葉を教えたり、食事を与えたり、人種区別はしているけれども偏見を見せません。これは白人が悪意を持って迫害しているのはなく、歩み寄って共存していることを強調している世界観なのかなと思いました。西部劇の人情モノ、開拓史的な脚色、親権問題、この3点について描こうとした作品なのではないかと思いました。御託を並べるとストーリーはそんな感じですが、みなさんが述べられたようにとても粗く、それでも西部劇というジャンルの世界観には惹かれるかなあという印象も持てる映画でした。
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