Osamu

パリ、18区、夜。のOsamuのレビュー・感想・評価

パリ、18区、夜。(1994年製作の映画)
4.2
パリの移民コミュティで起こる、彼女彼のあれやこれやの話。

登場人物の誰にも感情移入させないし、物語の構成も判然とさせないまま話は進んで行く。そして静かだけれど強烈な違和感を残して幕を閉じる。中途半端な失敗にも見えるし、完璧な成功にも見える。

意味不明な上空の高笑いから物語は始まる。その他にも随所で印象的な笑いが入る。笑いは受容の表現を含んでいると思う。

目の前の人たちの振る舞いに怒るよりも笑おうよ。だっておもしろいじゃない。みんなが心底それを感じれば世界平和は実現できる。それを言っているのか。

20年以上も前の作品だけれど、こういう映画は観たことないなあ、という強い印象。そして、こういう映画を観ると幸せな気分になる。だって、分からないんだもん。もう一回観て確かめたいって思う。分からないことに気持ち悪さではなく、次に観る時の期待感を感じるのは何故なんだろう。
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