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希望の樹の小のレビュー・感想・評価

希望の樹(1976年製作の映画)
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岩波ホール創立50周年記念の特別企画で、ジョージア映画監督で、社会的不正義を告発する作品で知られるテンギズ・アブラゼの「祈り三部作」(『祈り』(1967年)『希望の樹』(1976年)『懺悔』(1987年))の上映があり鑑賞。

貧困と因習によって若い男女の純愛が引き裂かれていく悲劇。20世紀初頭、革命前のジョージア東部カヘティ地方の美しい農村に、一人の美しい聖女のようなマリタがやってくる。彼女は牧童のゲディアと愛し合うけれど、貧しいマリタの家の家族は本人の意向を無視して、村の長老の言うがままに、金持ちのシェテと結婚させることにする。

革命前の予感に動揺が走る中での、様々な人々が描かれる。因習にしがみつく村の長老、過去の栄光に固執する学者、新しい時代を説くアナーキスト、奇跡を信じる夢想家、妄想に生き放浪する女性、人間的欲望を捨てきれない神父、村中に色気を振りまく女性。

村の因習からはみ出しているからこそ、自由な人間性の“変わり者”たちに、「人の美しい本性が滅びることはない」(ヴァジャ・プシャヴェラ)と言いたげな終わり方。

自分の鑑賞力では1回観ただけでは、上手く味わえない映画だった。機会があればもう一度…。ということで、記録だけで点数はナシ。
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