Melko

ビリケンのMelkoのレビュー・感想・評価

ビリケン(1996年製作の映画)
3.5
双眼鏡を逆さにして覗くと、見えるよビリケンさん。。。

わたしたちの世代でいう、子どもの頃の夏休み映画といえば、「学校の怪談」だった。そのノスタルジーが、オレンジがかった画面の色と、シンセのチャキチャキポップな音楽からビンビンに伝わってくる。
懐かしいな、この感じ。1996年か…。
しかも舞台は個人的にとても縁のある土地。大阪の汚い熱気とガチャついた感じ。

ビリケンさんてたしかに顔面ちょっとコワイのよな。。
そんな、封印から解き放たれたビリケンさんが人々の役に立とうと悪戦苦闘。願いを叶えるために、ネコ探したり万馬券のために馬をにんじん釣って走らせたり、地味ーにビリケンさんが立ち回るのは、いじらしい。

「ここ無くなったら、お前が困った時来るとこ、なくなるぞ」
つまるところ、自分の故郷(ホーム)は大事にしよう、ということかと。でないと子どもに、「あんな、もう、こんといてな。」
って寂しいこと、言われちゃうから。

ストーリーがややゆっくりで進むので、退屈感は否めない。登場人物たちのやり取りも、ゆっるゆる。ただ、100分でサクッと見終わるので、仕事で疲れた時とかに良いかな。
杉本哲太のビリケンはすんごい似てるってか雰囲気出てるし良い感じ。
「ヘンッ」て土産物屋のおばはんに食ってかかるところのニッてした表情なんか、まんまビリケン。且つ、彼の大阪弁はほぼ完璧!関西出身かと思ったほど。
ただ、キャスト勢のそんな大阪弁が、すごい良いところまで行ってたんだけど、やっぱり細かいところは違って……完成度が高かったからこそ気になってしまった。
「そうか⤵︎」ではなく、「そうか→」とかね。「〜でっしゃろ」とか、言わんけどね、今。。笑
舞台が新世界なんだから、多少大袈裟なイントネーションでも、じゃりんこチエ並にコテコテの関西人を使って欲しかったし、なんなら新喜劇のメンバーとか出しといて欲しかったかな。。まあ、そのコテコテ感を出さないのが、「正統派映画」ってことなのかもしれんけど。。あまりコテコテにすると、突然品位が下がるからなあ…
学童の子どもは良い仕事してた。丸っこくて可愛い。
まさかの岸部一徳のベッドシーンに閉口…要らん!!笑

「王手」と「どついたるねん」も見てみようかな。
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